ユーザー車検てなんじゃけん?

ユーザー車検とは

ユーザーが自分で自動車を点検して車検場へ持ち込むのがユーザー車検です。

安い費用で車検を、との触れ込みでそこそこの話題にもなったユーザー車検ですが、 それでも実態をしっかりと理解できているのは未成年(10代以下)にはほとんど いないようでしょうし、60代でもユーザー車検のメリットに惹かれない人が多い だろうと予想されますから、日本の人口で考えると2割~3割くらいの人しか深く 理解できていないかもしれません。 少しでも車検の費用を節約したいと願っている20代の男性が一番熱心にユーザー車検 について調べているでしょうが、それ以外の層や女性だと全くの無関心ということも 考えられるわけなのです。 そんな人がもし広島出身の場合は「ユーザー車検でなんじゃけん?」と質問を投げ かけてくるでしょうし、京都の女性なら「ユーザー車検でなんどすか?」と言うのは わざわざ現地に行って確認する必要もないほど明らかなことでしょう。 まだまだ全ての人に知られているわけではないユーザー車検ですが、これは自動車を 所有する者が自分で整備を行い、場合によっては修理工場へ持ち込んで部品交換など 検査の基準を満たすためにメンテナンスをしてもらいますが、車検場へは自分で マイカーを持ち込んで車検(継続検査)を受けることです。 もともとは「車検はユーザー本人が受ける」というのが正しい解釈だったのですが、 いつの間にか煩雑な手続きや専門的な整備を行う知識の欠落のため、業者に代行を 頼むのが当たり前のようになってしまったのです。 自動車学校で免許を取得するために多少のメンテナンスの知識は学びますが、そこで 得られる知識だけでは車検に合格できるレベルにマイカーを仕上げることは無理です。 ワイパーの交換すらやったこともないのに、車検場で受ける検査全てに合格出来る よう整備を施せるわけがありません。 ならば多少割高になるけど全て業者に任せてしまおう、というのがこれまで主流に なってきたディーラー車検で、整備も持ち込みも検査も全てを引き受けてもらえます。 その分の手数料は実際の車検代に上乗せされて請求されますが、確実に任務を遂行 してもらえる安心感が頼もしいとの評判で、メカに弱い女性だけでなく男性にも好評 で「車検=ディーラー車検」と表現しても大げさではありませんでした。 ですがここ数年でメカに強い男性が急増してきたこと、費用を安く抑えたいという ニーズが高まってきたなどの理由で、本来あるべき姿の「所有者(ユーザー)が直接 継続検査を受ける」ユーザー車検が見直されてきたのです。 初めての人は自分で車検を受けることに戸惑うかもしれませんが元来そのように想定 されていたので、やってみれば意外と簡単だったと感想を漏らす素人さんも多く、 ハードルは決して高すぎるわけでもありません。 予約をして車検場へと赴き、書類を揃えて提出したら検査ラインへ並ぶだけです。 ラインに沿って検査を次々と受けて、全てに合格すれば窓口で新しい車検証と検査標章 のステッカーを受け取って、古いのを取り替えて完了です。 問題がなければ半日程度で終わらせることができますし、ほんの少しの問題しか発生 しなければ当日にやり直して完了させることも現実的には不可能ではありません。 大問題が起こればその日のうちに新しい車検証を受け取ることができなくなるかも しれませんが、そんなトラブルの遭遇率は5%弱でしょうからほとんどの人は当日に 全てを終わらせることができるようです。 この1日の手間によって得られるのは業者に任せた場合の車検料との差額分で、 ケースバイケースではっきりこれだけという金額は提示することが出来ませんが、 およそ3万円から6万円の金額を浮かせることができるようです。 これを安いとみるか高いとみるか、検査に不合格になった場合の対処などを考えても 人それぞれに感じ方も違うでしょうが、目安として覚えておくとよいでしょう。 時間に余裕があって整備の完璧な自動車の持ち主なら一度体験してもいい経験となる かもしれませんね。