ユーザー車検てなんじゃけん?

大切な車検

どこかで聞いた覚えのあるこの言葉の意味を理解していますか。

3年あるいは2年ごとにやってくる自動車の車検については、過去にマイカーを所有 した実績をお持ちの方ならどのようなものかは把握しているでしょう。 自宅で整備をするためのガレージがなかったり工具があまり揃っていなくても、 オリンピックよりも短い周期でやってくる車検はそのタイミングが到達するより前に 中古車として売ってしまうか、新車を購入して下取りに出さない限りは何人たりとも 避けて通れない重要な整備イベントになります。 安全で快適なドライブを常習的に実践したいのなら欠かすことの許されない車検は 合格していないと公道を走行出来ないと法律でも定められているので、「何年も愛用 している古い自動車で調子も悪いけどまだ動くし、次故障したら廃車にする予定だから 今回は車検を受けずにエンジンが掛からなくなるまで乗り潰そう」「お金に余裕が 無い今月車検を受けてしまったら次の給料日まで毎日カップラーメン生活だよ、 しかも平日は1日1食、日曜日だけ2食の配分でギリギリさ。空腹は辛いから今回の 車検はスルーしちゃえ」「車検があるのをすっかり忘れてた、お金を準備してないから 今から節約しても足りそうもないや。支払いができない以上車検に出すことは不可能、 費用が捻出できたらその時に受ければいいや」というのは通用しません。 車検の有効期間が過ぎてしまった自動車は道路を走ってはいけないルールになっており、 これを無視して公道を走行して奈良の大仏を見に行ったり金閣寺を見に行ったり、 切手と葉書を買いに郵便局へ出掛けたり現金書留を郵送するために隣町の郵便局へと 出向いてみたり、髪をバサリと切ってもらうかパーマをかけるか決めかねたまま 顔馴染みの美容室へ予約の電話をしてから時間に間に合うように車で駆けつけたり、 友人の新築祝いで山中にある注文住宅に招待されたので壁面緑化に取り組んでいる との話を聞いたから観葉植物を助手席に積み込んで馳せ参じたり、奥歯の詰め物が 取れてしまったから急いで歯科医院に電話して治療してもらうべく車のキーを手に 取ったり、3時に自転車でコンビニのバイトの面接を受けに行くつもりだったけど 雨が降ってきたからやっぱり車で、というのは全て法律で禁止されている行為になります。 車検に合格した自動車なら有効期間中の安全性は保証されている、というわけでは ありませんが公道を利用する前提条件にはなっているのです。 なので自動車を所有している間は常に車検を気にかけて必要なメンテナンスをする ことがオーナーの責任になるため、意識せずにはいられない存在となります。 通常の車検なら有効期間が迫ってきたと肌で感じられるようになってきた時期に、 その自動車を購入したディーラーに依頼して車検を受けてもらうのが一般的です。 これなら所有者はたいした手続きをする必要もなく、車を預けて経験豊かな整備士達に 任せられるので自動車のメンテナンスに関する知識が乏しい人でも苦労せずに車検を 通過することができるでしょう。 そもそも自動車のオーナーだからといって整備の腕があるとは言い難く、タイヤ交換 やエンジンオイルの交換すらやったことのない人の方が多いのではないでしょうか。 そんな人が検査に合格するように愛車を整備できるわけがなく、一切を丸投げできる ディーラー車検が受け入れられている理由もここにありそうです。 ですが自分で自動車を整備して車検場へ持ち込み検査を受けることが出来るのなら代行 してもらう必要もなく、メンテナンスも含めて一切合財を己の力で勝ち取ることも夢 ではありません。 それこそがユーザー車検と呼ばれるもので、専門的な知識や技術を持つ業者に代行 してもらっていた整備や手続きを自動車のオーナーが自ら行う車検です。 代行してもらわないので手数料などの支払いが不必要になり、金銭的なメリットが 大きいと評判になったこともあるので「ユーザー車検」という言葉自体は免許証を 取得している人なら耳にしたこともあるでしょう。